害獣による農業被害
害獣の採食行動や探求行動により、 直接的・間接的に農業が受ける被害 のことを言います。
農作物を食べられる、田畑の土や根を掘り起こされる、ビニールハウスを壊されるなどの被害があり、大切に育てた農作物が出荷できなくなるだけでなく、莫大な修繕費が掛かったり、定植・収穫サイクルが狂ったりする被害が出ます。
その被害額は、農林水産省の調査結果によると、平成27年度では176億円にも達するそうで、その大半は、シカ・イノシシ・サルの3種によるものだそうです。
害獣被害を防ぐための主な対策としては、フェンスや柵による侵入防止、銃やワナによる捕獲、忌避剤(きひざい)や超音波を使っての接近予防があります。
これを効果的なものにするためには、設置すれば事足れりではなく、日々の点検・管理や定期的な交換が重要です。
同時に、地域の住民が他人事ではなく、自分たちの問題だと捉え、害獣を引き起こさないための環境作りも大切です。
獣は餌をもとめて人里に寄ってくるのですから、そこに行けば餌にありつけるような環境にしてはいけません。
農作物の残渣や残飯等を放置している、収穫されない栗や柿などの放任果樹がある、墓にいつまでも供え物が置いてある、管理されない耕作放棄地が多いなどは害獣を引き寄せてしまいます。
また、可哀想だからと、エサを与えては益々害獣被害を大きくしてしまいますので、餌付けは厳禁です。
また、捕獲によって個体数管理を行う方法もありますが、それには、狩猟免許を取得して、法定猟具を使って捕獲することが求められます。
狩猟免許ごとに使用できる猟具が決まっており、くくり罠・箱罠・囲い罠等を使用して捕獲する場合は、わな猟免許の取得が必要となります。