衛生害虫の区分と駆除
媒介害虫は、感染症の原因となる細菌やウイルスなどの病原体を媒介すると言われており、ハエは、赤痢やチフス等、カ(蚊)は、日本脳炎やデング熱等があります。
有害害虫は、感染症は媒介しないが、人を刺したり吸血したり触れると皮膚炎等を起こしたりする虫で、ハチ、アタマジラミ、ムカデ等があります。
不快害虫は、見た目の気味悪さや大発生等で人に不快感を与える害虫で、ヤスデ、ユスリカ等があります。
これらの害虫を防除(駆除・忌避)するため薬剤(殺虫剤)は、医薬品または医薬部外品の適用を受けております。
また、防除(駆除・忌避)するため方法は、広域防除と個別防除の2つがあります。
広域防除の対象となる害虫には、山林、河川・湖沼、海浜、ゴミ埋立処分場、空き地、住宅地周辺など広い範囲で発生して加害する場合と、狭い範囲で発生した成虫が広域に拡散する場合があります。
近年は広域防除が実施されることは少なくなっており、広範囲に衛生害虫が発生して殺虫剤を散布する場合には、人との接点に近い範囲で限定的に実施されることが多くなっております。
個別防除は、一般家庭における蚊取り剤やゴキブリ用殺虫剤を使って駆除するものです。
その対応は被害者の裁量で決定され、時には、殺虫剤の用法用量を無視した使い方がされることがあります。
特に、虫が嫌いな人ほど、原因不明の痒みを虫のせいだと思い込んで、安易に殺虫剤を使用する傾向があります。