痛みの役割と種類
身体に痛みを感じるのは、だれしも歓迎すべきことではありません。
しかし、もし、この「痛い」という感覚がなかったら、危険を察知したり、回避することができず、ケガや病気を繰り返したり、最悪の場合は、命の危険につながることもあります。
このように、「痛み」を感じることで、身体に何らかの異常や異変が生じていることに気づくことが出来るのです。
すなわち、「痛み」は、体温、呼吸、脈拍(心拍)、血圧と共に、私たちが生きていることを示す「サイン」(バイタルサイン)であり、自分の身体や命を守るための、生命活動に欠かせない役割を持っているのです。
しかし、なかには生命活動に必要ではない痛みもあります。
必要以上に長く続く痛みや、原因がわからない痛みは、逆に大きなストレスになり、これが、不眠やうつ病など、他の病気を引き起こす契機にもなりかねません。
このような「痛み」は、「痛み」そのものが病気であり治療が必要となります。
ひとくちに「痛み」といっても、原因や状態によってさまざまですが、その原因によって、大きく「炎症や刺激による痛み」(侵害受容性疼痛)、「神経が障害されることで起こる痛み」(神経障害性疼痛)、「心理・社会的な要因による痛み」(心因性疼痛)の3つに分けられます。
長引く痛みなどでは、この複数の原因が関与していることが多いようです。