フリーランスが直面するお金の問題
フリーランスとして独立すると、さまざまなお金の問題が出てきます。
■国民健康保険への切り替えで保険料負担がアップ
会社員は、勤務先を通じて健康保険に加入します。
この健康保険の保険料は、勤務先と折半して負担する仕組みになっています。
しかし、会社を辞めてフリーランスになると、それまで加入していた健康保険は原則として脱退しなくてはなりません。
独立後に家族の扶養に入る場合は、扶養者の健康保険に加入できますが、扶養に入らなければ自身で新たに「国民健康保険」に加入することになります。
そのときに直面するのが、保険料の増加です。保険料を全額個人で負担することになるからです。
しかも、世帯の人数が多いほど保険料が増えるため、家族構成次第ではさらに負担が重くなります。
「任意継続」でも勤務先と折半していた保険料が、退職後は全額自己負担になってしまうから保険料は一気に2倍になります。
健康保険の保険料は増えるものと覚悟し、ある程度余裕をもって独立資金を準備しておく必要があります。
■国民年金だけでは老後資金が不足
会社員は厚生年金に加入しますが、退職をすると厚生年金を脱退し国民年金に切り替わります。
厚生年金には任意継続の仕組みがないため、配偶者の扶養に入る場合を除き、必ず切り替えの手続きが必要です。
厚生年金の保険料は、勤務先と折半する仕組みになっていますが、国民年金の保険料は一律で設定されており、令和2年度は月額16,540円です。
厚生年金の保険料は収入に比例しますが、国民年金の保険料は一律なので、通常はフリーランスになると年金に対する保険料の負担は少なくなります。
しかし、厚生年金受給者の平均年金月額は約146,000円であるのに対し、国民年金受給者の平均年金月額は約51,000円ですから、国民年金だけでは、老後資金としては不十分です。
■リーランの業務上のトラブル
フリーランスには、仕事で何らかのトラブルが発生したときのリスクも存在します。
自分のミスで取引先に損害を与えたとき、会社員であれば会社が助けてくれますが、フリーランスは自ら賠償をすることになるかもしれません。
そもそも、トラブルが起きたときに相談する相手を見つけるのも難しいでしょう。