「食後高血糖」管理の重要性
食事を取り糖分が吸収されると血糖値は上昇しますが、これに反応して分泌されるインスリンの働きによって血糖値はすぐに下がります。
これは、血液中のブドウ糖(血糖)が様々な臓器や細胞に取り込まれるため、数時間で正常値に戻るのです。
インスリンは膵臓から出るホルモンで、血糖を一定の範囲におさめる働きがあります。
しかし、このインスリンが十分に働かなくなると、食後の血糖値がすぐに下がらなくなり、この状態が糖尿病です。
糖尿病予備群や糖尿病を発症した早期の人でも、「空腹時血糖値」が正常域(110r/dL未満)を示す場合が多くみられます。
また、血糖値は常に変動していて、糖尿病と診断されていない人でも、食後の血糖値が140mg/dL以上になることはあります。
このため、糖尿病を「空腹時血糖値」だけで判定しようとすると、「食後高血糖」を見逃してしまい、気がつかないうちに糖尿病を発症したり進行したりするため、注意が必要です。
「食後高血糖」は、インスリンの量や働きが低下してブドウ糖を十分に処理することができず、血糖値を正常に戻す働きが非常に弱い「耐糖能異常」の状態にあります。
この耐糖能異常は動脈硬化を促進することから、脳卒中などの大血管障害を起こすリスクが高くなります。
このため、「空腹時血糖値」だけではなく、「食後高血糖」もあわせて管理する必要があるのです。