肝臓の病気
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるように、ある程度状態が進行しないと、症状が起こりません。このため、数値に異常がみられても、自覚症状はほとんどないのです。
肝臓の病気は、急激に状態が悪化する急性のものと、緩やかに状態が悪化する慢性のものの2つあります。
急激に症状が悪化する「急性肝炎」は、肌や白目が黄色くなる黄疸症状や、だるさや吐き気、尿の色が濃くなるなどの症状がみられますが、治療により治すことができる病気です。
肝臓は炎症が起きると、細胞が壊れてしまいますが、高い修復機能によって修復されますが、傷ついた部分は線維化し硬くなってしまいます。
この硬い部分がどんどん増えていくと、「肝硬変」になっていき、さらに状態が進行すると、10年のうちに約8割の人が肝臓がんになるとされます。
さらに、全身のだるさや食欲不振、貧血、吐血、意識障害、むくみ、腹水(お腹の張り感)が起きるようになります。
一方、緩やかに状態が悪化する「慢性肝炎」は、自覚症状がほとんど見られません。
このため、予防ができないまま、肝臓の細胞が傷つく速度に肝臓の修復力が追い付かなくなり、これが、「肝硬変」や「肝がん」へと進行してしまいます。
こうした症状の進行を止めるためには、定期的な血液検査などで肝臓の状態を把握して、治療や肝臓が傷つかないように日々予防をすることが大切です。