肝臓の機能を知る検査と検査値
肝臓は「沈黙の臓器」とも言われているように、一部にダメージが出ても、それを他の部分でカバーして我慢強く働いてくれる臓器です。
それは、ある程度のダメージを受けていても、症状が現れにくいという事を意味しております。
それが故、悪い症状を自覚する頃には、かなり機能が低下していると考えられ、著しく悪化すると、元のように機能が回復するのは難しくなってしまいます。
こうしたことを回避するため、常日頃から、検査を通じて、肝臓の機能の状態を把握しておくことが大切です。
検査は血液検査が代表的で、ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTPという3つの検査項目があり、肝臓の細胞の状態と、胆道の状態を明らかにしてくれます。
ALT(GPT)とAST(GOT)の値は、肝臓の細胞が壊れるほど高くなります。
ALT(GPT)の基準値は、男性は6∼30U/l、女性は6∼27U/lです。基本的に、30以下であれば問題はないとされています。50以上になると、精密検査をするよう勧められます。
AST(GOT)の基準値は、男女ともに13∼33U/lが基準とされており、こちらも30以下なら異常はないとされます。
γ-GTPは、アルコールをたくさん飲む人、もしくは、薬の影響で肝機能に異常が出ている人に上昇する傾向にあります。
基準値は、男女ともに10∼47U/lで、50を下回っていれば人間ドックなどでも特に重要視はされず、異常がないとされます。
どちらがより高いかを示す「AST/ALT比」によって、どんな病気が疑われるかも変わってきます。
ただし、アルコールの過剰摂取、肥満、サプリメや薬、過度な運動の影響で上昇する可能性もあります。
このため、数値が高かったからといって、すぐに、医師から病気と診断されるわけではありませんので、さらに検査が必要なのか、様子を見た方が良いのかなどを確認しましょう。