自分で行う膝のケア
膝関節には「安定性」と「可動性」と相反する機能が求められております。
しっかりと体重を支える「安定性」と、柔軟に屈伸できる「可動性」の2つです。
外傷や加齢性変性が原因でこの2つの機能が損傷したり失われたりすると、歩行機能が低下して日常生活に支障をきたしてしまいます。
■安定性を高める
自分でできる膝のケアとしては、まず、膝を支える筋力を鍛えて「安定性」を高めましょう。
膝の安定性には太ももまわりの筋力がとても大切です。
筋力が低下すると、膝がぐらついて関節表面にある軟骨が痛んでしまいます。
一番簡単で基本的な運動としては、仰向けに寝た状態で、踵を浮かすように自分の脚を持ち上げる練習です。
これは、手術後のリハビリテーションでも行いますが、最初は、意外にも持ち上がらないことが多いです。
慣れてくれば足に重りをつけるのもいいでしょう。
膝が悪い人には、あまり過激な運動は止めた方が良いですが、水中運動や自転車運動などの適度な運動は膝関節にやさしく、まわりの筋力を鍛えることができるため効果的です。
■可動性を高める
膝の曲げ伸ばしを練習して「可動性」を高めましょう。
膝の可動域が低下してしまうと階段昇降が難しくなり、しゃがむことも大変になってしまいます。
可動性を高める基本は、床に座った状態で、脚を曲げたり伸ばしたりする体操です。
風呂で練習するとさらに効果的です。
反動をつけずにゆっくりと練習することが大切です。
理想的なのは、踵がおしりにつくくらいまで曲り、膝裏が床につくまで伸びることですが無理は禁物です。
痛みを感じたら無理せずに焦らずに継続することです。
これにより、膝の状態も改善して行くことでしょう。